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製造業マーケティングコンテンツづくりの鍵~QCD+S観点の“コト作り”の方法とは?

執筆者の写真: Takuma SaitoTakuma Saito

更新日:2月18日




前回の記事ではマーケティングのコンテンツを検討する際に、製造業で一般的とされている「Quality (品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期) 、+Safety ( 職場の安全性)」の考え方を取り入れながら訴求ポイントを整理することの重要性について解説いたしました。


今回はいよいよ実践編として、アイディア出しのポイントと注意点、実際の企画例をご紹介します。


アイディア出しはマーケ・営業メンバーと一緒にやろう!


前回の記事でご紹介したワークシートを使って、検討フェーズ×ターゲットのレイヤーに応じて訴求するターゲットとコンテンツのテーマを決める際、意識いただきたいことがあります。



▼書き込み用(ダウンロード)


それは、マーケティング部門のメンバーだけで行わず、ぜひ営業部門の方も巻き込んでいただくことをおすすめいたします。なぜなら、営業部門は顧客と直接接する機会が多く、市場のニーズや課題をリアルタイムで把握しているからです。


また、製造業のマーケターの方から、「営業メンバーとコミュニケーションするきっかけがなく、現場に響くコンテンツ・施策がなかなか思いつかない」というお悩みを耳にします。

アフターコロナ以降、オフィスで顔を合わせる機会が減ってしまっていることも背景にあるかもしれません。こうしたこともあり、一見アナログに見えるかもしれませんが、対面形式でホワイトボードを使ってワークショップを行うこともおすすめしています。


実施された企業からはこのような声をいただきました。


「マーケティングとマーケティングと営業の部門間コミュニケーションのきっかけになった」

「最新の現場動向を反映したコンテンツ企画ができた」

「多様な視点からのアイディアが出て自社製品の新たな訴求の切り口が見つかった」


よく「マーケと営業の壁」と言われることもありますが、こうした取り組みをきっかけに相互理解を深めていただくのはいかがでしょうか?


営業とマーケのコミュニケーションを通じてコンテンツの質が高められる可能性が高くなります。


コンテンツ企画は「現場レベル」×「検討レベル」の2軸で考える


効果的なコンテンツ企画を行うには、「現場レベル」と「検討レベル」という2つの軸で考えることが有効です。


「現場レベル」とは、顧客の業務現場で直面している課題や改善ポイントを指します。例えば、生産性向上、品質管理、コスト削減などが挙げられます。


一方、「検討レベル」は、顧客が製品・サービスを検討する際のステージを表します。一般的に以下のような段階があります


  • 課題認識段階:問題の存在に気づき、解決の必要性を感じ始める

  • 情報収集段階:さまざまな解決策について情報を集め、比較検討を行う

  • 導入検討段階:具体的な製品やサービスの導入を検討し始める


これら2つの軸を組み合わせることで、顧客のニーズや関心に合わせた的確なコンテンツを企画することができます。


検討レベルが進むにつれて製品にフォーカスしたコンテンツを届ける


顧客の検討レベルが進むにつれて、コンテンツの焦点も変化していきます。以下に、各段階でのコンテンツの特徴を示します


  1. 課題認識段階

    1. 業界全体のトレンドや課題に関する情報提供

  2. 情報収集段階

    1. 解決策の種類や特徴の比較

    2. 導入による具体的な費用対効果

  3. 導入検討段階

    1. 自社製品の詳細な機能や特長の紹介

    2. 導入事例や顧客の声の紹介


このように、顧客の検討段階に合わせてコンテンツの内容を変化させることで、より効果的なマーケティングが可能となります。


ワークシートの作成例と企画の検討手順


前項のポイントを踏まえた上で、私の方で作成したワークシートの例をご紹介いたします。


多くの方に参考にいただけるよう、「品質管理・品質保証部門 あるいは 生産技術部門向けの商材」を想定した作例としております。



ワークシートでテーマのアイディア出しを行った後、施策実行までは以下の手順で進めます。


当然ながら「すでにウェビナーをやることは決まっていて、テーマはこれから考える」など、時々の状況に応じて適宜アレンジしていただければと思います。


  1. ターゲット設定を行う

  2. コンテンツの構成を検討する

  3. コンテンツの種類を決定する

  4. 施策実施・レビュー

  5. ターゲット設定を行う


1.ターゲット設定を行う


アイディアを検討フェーズ×ターゲットのレイヤーの視点で整理した後はどのゾーンに向けたコンテンツにするか、下記のようにターゲティングが必要になります。



今回の例におけるターゲットのイメージとしては「中期課題に取り組んでいる、製造現場のマネジメント層〜現場キーマン向け」となります。


このように視覚的にターゲッティングを行うことで関係者間の認識ギャップを埋めることが可能です。


2.コンテンツの構成を検討する


今回の例では、今後の見込み顧客の獲得を目的に「認知層〜検討初期」と検討レベルを跨いでターゲット設定を行っています。


この場合、ターゲットが知りたい情報をバランス良く網羅する必要があります。


もし、ワークシートの案をベースに考えるとすれば下記のような構成になります。



このように可能な限り「製品紹介色」は出さずに、顧客が持つ業務課題に沿った内容でコンテンツを考えることがとても重要です。


3.コンテンツの種類を決定する


コンテンツの構成が決まったあとは、「どのチャネルを使って届けるのか」を決めていきます。


  • ホワイトペーパー

  • ブログ

  • SNS

  • ウェビナー

  • 展示会

  • Web広告

  • Webメディアへの掲載 など


現在では多くの手段がありますので、コストやターゲット顧客にリーチできるチャネルを選択する必要があります。


「うちもそろそろWeb広告をやった方が良いのでは?」というご相談をいただきますが、こうした切り口で進めると「手段の目的化」につながるため、注意が必要です。


また、実施したウェビナーの内容をホワイトペーパー化することで、より洗練されたコンテンツとして活用し、複数チャネルでより多くの見込み顧客に情報発信するのも良いでしょう。


4.施策実施・レビュー


施策実施のあとは主に3つの観点で振り返り、PDCAを回すことが重要です。


  • ターゲットとのズレがなかったか

  • 獲得リードが目標件数に届いているか

  • 獲得リード単価が他の施策より高くなっていないか


こうしたレビューにより、ターゲッティング精度・施策の効果が向上し、自社にマーケティング業務のノウハウを蓄積できると考えています。


まとめ


今回の記事では、マーケティング施策を実際に進めるにあたっての留意点、検討手順について解説いたしました。


なお、弊社では今日ご紹介したコンテンツのワークショップを初回のみ無料で実施しております。ご興味のある方はこちらのリンクよりご予約ください。


この、製造業における実践的なBtoBマーケティングに特化したテーマのコラムは次が最終回。次回は「作ったコンテンツの作りっぱなしを防ぐためのMA活用事例」についてご紹介したいと思います。最後までお付き合いいただけますと幸いです。

 
 
 

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