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保守契約の更新漏れを防ぐには?製造業向けCRM/SFA活用法

作成者: 斉藤拓真|Apr 20, 2026, 9:00:00 AM

はじめに

製造業では、装置・設備・システムなどの保守契約が、安定した収益を支える重要な要素になっています。

新規受注が伸びにくい局面では、既存顧客との契約を確実に更新できるかどうかが、事業の安定性に大きく影響します。

一方で、保守契約更新は人やExcel管理に依存しやすく、業務の中で後回しになりがちな領域でもあります。

本記事では、保守契約更新を担当者任せの業務にせず、組織として安定的に回せる仕組みへ変えるための考え方と実践のポイントをご紹介します。

※本記事は HubSpot を例に解説しますが、他のCRM/SFAツールでも応用可能です。

製造業における保守契約更新のよくある課題

よくある課題現場で起きていること
更新漏れ契約満了後、しばらく経ってから気づく
属人化担当営業の異動・退職でフォローが止まる
管理の分断Excelが複数存在し、全体を把握できない
可視化不足どの顧客・どの設備に保守が付いているか分からない
改定対応の遅れ価格・プラン改定を更新時に反映しきれない

これらに共通しているのは、更新管理が「人の記憶」や「個別のExcel」に依存していることです。

◆ Excelによる管理の限界

Excelは柔軟に使える反面、「管理者あるいは担当者が能動的に開いて確認する」ことが前提のツールです。更新期日が近づいても自動で通知されず、担当者の記憶やカレンダー管理に結局は依存します。また、複数人で管理するうちにファイルが乱立し、どれが最新か分からなくなるケースも少なくありません。また、更新漏れに気づきにくいという問題も考えられます。

◆ サービス部門だけで管理することのデメリット

保守契約の更新管理をサービス部門専用のツールや台帳で完結させている場合、営業部門との情報共有が分断されがちです。サービスマンは現場の状況を把握していても、それがアップセルや更新提案の営業活動に活かされないまま終わるケースが多くあります。また、それまではサービス・営業担当者同士の人間関係で顧客の状況を何とか把握できていたものが、担当サービスマンの異動・退職が起きた途端、情報がサービス部門内に閉じてしまい、営業側がフォローに動けなくなります。

◆ 更新管理を「記憶」から「仕組み」へ

こうした限界を超えるために有効なのが、営業・サービスの情報を一元管理できるCRM/SFAの活用です。更新管理を特定の部門・担当者に依存せず、組織全体で共有できる状態にすることが、仕組み化の出発点になります。

なぜ保守契約更新はCRM/SFAで管理すべきなのか

保守契約更新を安定的に回すためには、以下の点を組織全体で共有できる必要があります。

  • いつ更新を迎えるのか
  • 誰が対応するのか
  • 今どの段階にあるのか

これを個人の記憶に頼らず管理するために、CRM/SFAのような仕組みが有効です。

管理方法更新管理の状態
人・Excel中心記憶依存・属人化しやすく、更新漏れが起こりやすい
サービス部門システム単独管理現場情報は蓄積されるが、営業部門と分断されやすく、提案や更新フォローに活かされにくい
CRM/SFA自動抽出・リマインド・進捗確認を仕組みとして回しやすい

CRM/SFAを活用すると、たとえば次のような運用がしやすくなります。

  • 契約満了日を起点に更新対象を自動で洗い出す
  • リマインドやタスクを自動で設定する
  • 更新率・契約付帯率をリアルタイムで確認する

保守契約更新は、単に漏れを防ぐための管理業務ではありません。更新漏れを防ぐ「守り」だけでなく、アップセルやリプレイスにつなげる「攻め」の起点になる点が、CRM/SFA活用の大きなメリットです。

HubSpotを使った保守契約更新の具体的活用イメージ

ここからは、HubSpotを活用した場合の実践的な更新管理イメージを紹介します。

1)更新対象を自動でリストアップする

HubSpotでは、保守契約に「契約終了日」を持たせることで、次のようなことを自動でリスト化できます。

  • 今月フォローすべき更新対象
  • 数ヶ月以内に満了を迎える契約

更新対象が自然と一覧化されるため、「誰が・どの契約を・いつフォローするか」が明確になり、更新管理を日々のToDoとして無理なく回せる状態を作ることができます。

2)顧客接点と更新状況を1画面で管理する

HubSpotでは、保守契約ごとに、以下のような情報を1つの画面で確認できます。

  • 見積
  • 提案履歴
  • メール・商談履歴

さらに、更新ステータスを「更新候補 → 提案中 → 検討中 → 更新完了/失注」のように統一することで、進捗の見え方を揃えやすくなり属人化を防止できます。

担当者が変わっても、過去の経緯を確認しながら対応できるため、属人的になりやすい更新フォローを、組織として安定的に運用しやすくなります。

3)ダッシュボードで更新率・付帯率を可視化する

HubSpotのダッシュボードでは、次のような指標をリアルタイムで把握できます。

  • 契約付帯率
  • 更新率
  • 更新案件パイプライン(将来売上見込み)

感覚ではなく数字で状況を見られるようになると、現場だけでなく管理部門や経営層とも課題を共有しやすくなります。また、管理部門・経営層ともに、改善点を共通認識として議論しやすくなります。

4)更新を起点にアップセル・リプレイスへつなげる

保守契約の更新時期は、顧客と接点を持てる大切なタイミングです。

HubSpot上で、たとえば以下のような情報を確認しながら提案を組み立てることができます。

  • 稼働年数
  • 過去の対応履歴

そのうえで、最新モデルへのリプレイス、保守範囲拡大、予防保全、24時間対応などの追加提案を更新提案と合わせて行うことで、更新対応を、これまでの「確実に業務を行うための守りの対応」から、「売上成長につなげるための能動的な提案活動という攻めの業務」へとつなげられます。

Salesforce環境でも実現できる保守契約更新管理

ここまでHubSpotを中心に解説してきましたが、Salesforceを利用している企業でも、同様の更新管理が可能です。

Salesforceでは、取引先、取引先責任者、商談などの標準オブジェクトに加え、保守契約や機器情報を管理するカスタムオブジェクトを活用することで、契約単位・機器単位で更新対象を管理できます。

さらに、フロービルダーを使って契約満了日を起点に更新商談を自動生成すれば、更新対応の抜け漏れを防ぎやすくなります。

管理できる内容の一例は、以下の通りです。

  • 更新ステータス
  • 更新見込金額
  • 失注理由
  • 追加提案の内容

このような項目を管理することで、契約更新だけでなく、アップセルやリプレイス提案まで含めて追えるようになります。

レポートやダッシュボードを使えば、以下のような状況も可視化できます。

  • 更新率
  • 付帯提案率
  • 案件の進捗状況
  • 担当者ごとの対応状況

必要に応じて、クロスレポートで契約情報と商談情報を横断的に確認することで、どの契約が更新対象で、どこまで提案が進んでいるかも把握しやすくなります。

重要なのは、ツールを切り替えることではなく、更新管理の考え方を組織に取り入れることです。すでにSalesforceをお使いの企業は、現在の環境をそのまま活かした設計も可能ですので、お気軽にご相談ください。

更新プロセスのシンプルな実運用イメージ

実際の運用では、次のような流れで管理していく形が分かりやすいです。

  1. 装置納入時に、取引先・設置機器・保守契約を登録する
  2. 契約終了◯ヶ月前に、更新案件を自動で作成する
  3. 事前案内・ヒアリングを行う
  4. 更新・リプレイス・アップセルを組み合わせて提案する
  5. 結果を登録し、次回更新に向けたサイクルを設定する

大切なのは、更新対応を単発で終わらせず、サイクルとして回すことです。毎回ゼロから動くのではなく、次回も自然に回る形にしておくことで、更新漏れは起こりにくくなります。

まとめ|CRM/SFAで保守契約更新を仕組みに変える

製造業の保守契約更新は、人に依存せず・更新漏れを防ぎ・利益を積み上げるために、CRM/SFAによる仕組み化が不可欠です。

まずは「自社の更新管理がどの状態にあるか」→「保守契約の更新案内が能動的に行えているか」を確認するところから始めてみてください。

こんな企業におすすめです

  • 保守契約の更新管理を仕組み化したい
  • HubSpotを導入したが、更新管理まで活用できていない
  • 更新漏れが毎年発生している
  • 担当サービスマンの異動・退職で更新フォローが止まってしまう

まずはお気軽にご相談ください

Monointiveでは、製造業に特化して、以下のような支援を行っています。

  • HubSpotを活用した保守契約更新モデル設計
  • Salesforce環境での更新管理設計支援
  • データ移行・ダッシュボード設計
  • 営業・サービス部門への運用定着支援

業務の現状をお伺いした上で、御社に合ったプランをご提案します。